雑記
今回は番外編として第14代将軍・徳川家茂について述べたい。幕末期の将軍というと、徳川慶喜の名を思い浮かべることが多いかもしれない。しかし慶喜が「征夷大将軍」であったのは慶応2(1866)年12月から慶応3(1867)年10月のわずか1年弱というごく短い期…
「大奥」は、江戸城内の公的空間である「表」や将軍の居住・執務空間である「奥」に対して将軍やその家族が住む私的空間である。今や見る影もないが、誰もが一度はその言葉を耳にしたことがあろう。近年はドラマや小説などで、絢爛豪華なイメージとともによ…
「あさが来た」を観た。明治20(1887)年頃だろうか。「銀行の神様」こと渋沢栄一が登場。渋沢は天保11(1840)年生まれなので数え年で五代より6歳年下である(!)渋沢は、2月13日、武蔵野国榛沢郡血洗島村(現在の埼玉県藤沢市)の養蚕や製藍を営む家に生…
平成二十六年新宿歴史博物館「高須四兄弟」展展示図録所収の藤田英昭氏の論文「徳川慶勝の幕末『異郷』体験」を紹介したい。論文の筆者である藤田英昭氏は幕末維新期の徳川家や、草莽(一般には「志士」と呼ばれる)など多岐に渡る研究をしている方である。 …
評者は家近良樹氏(以下 著者)の書籍が好きだ。『幕末維新の個性1 徳川慶喜』など大学時代に夢中になって読んだことを昨日のことのように覚えている。本書『人物叢書 徳川慶喜』は著者にとって上記の『幕末維新の個性1 徳川慶喜』(吉川弘文館、二〇〇四年…
本書『写真家大名・徳川慶勝の幕末維新―尾張藩主の知られざる決断』は、二〇〇九年八月二十三日に放送された「幕末 知られざる決断 尾張藩主・徳川慶勝」というテレビ番組をもとにして編まれている。本書の主人公ともいうべき徳川慶勝は幕末期の尾張徳川家の…
心待ちにしていた、中村武生氏の『池田屋事件の研究』を読んだ。われわれは「池田屋事件」の「事実」についてどれほど知っているであろうか?ページをめくるたびに、「知られざる池田屋事件」が姿を現し、池田屋事件について、ほとんど何も知らなかったこと…
明治維新史学会編『講座 明治維新3 維新政権の創設』(編集 松尾正人氏・佐々木克氏)所収の藤田英昭氏の論文「草莽と維新」を非常に楽しく読んだ。論文の筆者である藤田英昭氏は、幕末維新史を「徳川家」の立場から、今まで知られていなかった史料を使いな…
木戸孝允をテーマにした本はそう多くはない。そんな中、本書は成立したての維新政権と明治という社会と木戸孝允の関係をを事細かに史料(資料)を追いながら記述している。明治初期の政治・外交史、そして木戸孝允の研究をしたい人にはうってつけの本。この著…
徳川第14代将軍・家茂を史料を丹念に読み解き、その実像を明らかにしようとした本書。 徳川家茂というと幕末史を勉強したいという人には避けて通れない人物である。 有名であるのに、家茂の研究書は少ない・・・。そのような現状に一石を投じている。 8代将…
学に入学直後に生協でふと、手にした本書。本当に自分の「幕末維新観」を180度覆してくれた1冊。 現在の幕末維新研究では「常識」とされている「一会桑」の視点を取り入れ、幕末の京都情勢を改めて分析している。内容の面白さに加えて、著者の文章もとて…
「ペリー日本に来(きた)る」という「情報(ペリー来航の予告情報も含まれる)」を幕末当時の日本人(吉田松陰などの知識人や尾張家当主・徳川慶勝・開明派大名といわれる伊予宇和島の伊達宗城らの領主層、また当時を懸命に生きていた庶民など)がどのよう…
幕末・明治維新研究の学問的水準がわかる本。 大学時代に評者は本書を読み、本格的に幕末・明治維新史を勉強してみたくなった。 幕末・明治維新研究の第一人者がオムニバス形式でエッセイを載せており、それぞれの研究分野・スタイルが垣間見えて面白い。学…
何故だかわかりませんが近頃、「月形半平太」(つきがたはんぺいた)に縁があるようで。「月様、雨が…」「春雨じゃ、濡れてまいろう」という名文句で(ある世代には?)知られている月形半平太です。 実は、この月形半平太なる人物は実在の人物ではありませ…
「ブログ出版局」というサイトで、この「龍馬を語ろう〜維新雑記」を「こーひいぶれいく 維新雑記」という1冊の本にしました。書き溜めた2年分の記事を読み返しているとその1つ1つに思い出があり、感慨深いものがあります。 これも今まで自分を支えてくださ…
西郷隆盛という名は誰もが一度は必ず耳にしたことがあろう。そして、その西郷のイメージは「懐の深い」よく肥えた「西郷どん」といったところか。 しかしその西郷イメージとは裏腹に彼の生涯には常に「謎」がつきまとう。その「謎」は西郷の身体のように大き…
西郷隆盛という名は誰もが一度は必ず耳にしたことがあろう。 そして、その西郷のイメージは「懐の深い」よく肥えた「西郷どん」といったところか。 しかしその西郷イメージとは裏腹に彼の生涯には常に「謎」がつきまとう。その「謎」は西郷の身体のように大…
11月7日、『あかね空』で有名な直木賞作家・山本一力先生の「幕末の土佐」と題したお話を伺った。江戸時代の初期(1606年頃)から日本では捕鯨が盛んであった。当時は小船で鯨に真っ向から向かっていき、一人の乗組員が鯨に飛び乗りエイヤと銛をつき刺す…
11月7日、『あかね空』で有名な直木賞作家・山本一力先生の「幕末の土佐」と題したお話を伺った。江戸時代の初期(1606年頃)から日本では捕鯨が盛んであった。当時は小船で鯨に真っ向から向かっていき、一人の乗組員が鯨に飛び乗りエイヤと銛をつき刺す…
6月12日・13日の両日に駒澤大学で行なわれた「明治維新史学会 30周年記念大会」に参加しました。「幕末政治」「廃藩置県」・「維新草創期の藩政」「明治維新史と国際関係」をなど多くのテーマで発表や議論が行なわれました。 会場で恩師にも再開し、多くの…
6月12日・13日の両日に駒澤大学で行なわれた「明治維新史学会 30周年記念大会」に参加しました。「幕末政治」「廃藩置県」・「維新草創期の藩政」「明治維新史と国際関係」をなど多くのテーマで発表や議論が行なわれました。 会場で恩師にも再開し、多くの…
「龍馬伝」を観ていてふと思った。なぜ「龍馬の手紙」を効果的に使わないのだろう。長州藩の攘夷活動の報告を受けながら「砲撃を受けた外国船は幕府が修理する」云々のせりふは明らかに文久3年6月29日の「日本のせんたく」の文言で有名な手紙のなかの「あき…
「龍馬伝」を観ていてふと思った。なぜ「龍馬の手紙」を効果的に使わないのだろう。長州藩の攘夷活動の報告を受けながら「砲撃を受けた外国船は幕府が修理する」云々のせりふは明らかに文久3年6月29日の「日本のせんたく」の文言で有名な手紙のなかの「あき…
龍馬暗殺ミステリー『知られざる“龍馬伝”世紀の英雄・坂本龍馬最大の謎と秘密の暗号』を観た。僕は龍馬殺害者は見廻組・桂早之助だと思っている。「新政府綱領八策」の○○○自ラ・・・云々と龍馬の「暗殺」は別問題だと思う。 寺田屋の危機の時、幕府の役人を…
龍馬暗殺ミステリー『知られざる“龍馬伝”世紀の英雄・坂本龍馬最大の謎と秘密の暗号』を観た。僕は龍馬殺害者は見廻組・桂早之助だと思っている。「新政府綱領八策」の○○○自ラ・・・云々と龍馬の「暗殺」は別問題だと思う。 寺田屋の危機の時、幕府の役人を…