書評 松尾正人著『木戸孝允』

木戸孝允をテーマにした本はそう多くはない。そんな中、本書は成立したての維新政権と明治という社会と木戸孝允の関係をを事細かに史料(資料)を追いながら記述している。明治初期の政治・外交史、そして木戸孝允の研究をしたい人にはうってつけの本。この著者の本はみんな実証的で、わかりやすく、おもしろい!本書の参考文献にあがっているアーネスト・サトウ『一外交官の見た明治維新』や同じ筆者の『維新政権』を紐解きながら、時には小学館の『明治時代館』を見ながらヴィジュアル的に把握したり、いろいろな楽しみ方が出来る、ゆっくりじっくり取り組みたい一冊☆木戸孝允と「明治」を本当に知りたい人におすすめ―。明治維新史を知る大きな「糸口」になるだろう。