第16回 「坂本龍馬とその時代」 講座・感想

1月21日と2月4日に「坂本龍馬とその時代」の講座を受けてきました。
 
コンパクトですが、奥深く、龍馬が生きた「幕末」という時代を徹底的に史料に基づいて探り出す、そんな講義でした。

講義の中で再発見したのは「龍馬の手紙」の不思議な魅力!

龍馬の手紙は姉・乙女(とめ)をはじめ家族宛のものが土佐言葉まるだしで、表現力も豊か。


読んでいても楽しいのですが、比喩が用いられていて「?」と思うこともあります。

そんな時に役立つのが幕末史の知識です。龍馬は28歳で「脱藩」をしてから海援隊を結成しその隊長になるまで、いわば「お尋ね者」としての生活を強いられることになります。

ある時は幕末の世の中を狭い「牡蠣殻」、自分自身を「土佐の芋掘り」に例え、自分は「こすい」嫌な奴でなかなか死ぬことはないから「ぷんと屁のなる」ぐらいの気持ちで「日本のせんたく」をするつもりでいたのかもしれません。

そして、自分に万が一のことが起った時は、故郷・「土佐藩が骨を拾ってくれるであろう」ことを期待しつつ故郷への愛情をいついかなる時も忘れることなく東奔西走していたことがわかります。

 
上の文章は龍馬の「言葉」を組み合わせてちょっと遊んだものですが、幕末史の知識
と龍馬の行動を重ね合わせれば、龍馬が手紙のなかで、なぜこの言葉を選んだのか、

その手紙を書いた時、どういう政治情勢だったのか、何を伝えたかったのか―がわかります。「?」がとけていく、そんな瞬間です。

手紙を読み解くことで幕末随一のネゴシエーター坂本龍馬の姿が浮かび上がります。


点と点がつながる、興奮に満ちたそんな講座でした。