番外編 龍馬伝」を読もう!!
「龍馬伝」の放送が始まりました。今回は「龍馬伝」で坂本龍馬にハマった、あるいは坂本龍馬大好き!幕末という時代をもっと知りたいという方のために
「龍馬伝」・幕末維新本を集めてみました。
龍馬の人柄を知るには、まず本人の手紙を読むのが一番だと思います。
宮地佐一郎編著『龍馬の手紙』(講談社学術文庫、2003年。)には全139
通の龍馬の手紙が写真・解説付で掲載されていて迫力のある生の史料です。
姉乙女にあて勝海舟との交流を自慢した「エヘンの手紙」、緊迫した京都情勢をどこかユーモラスに書いた手紙など話題に事欠きません。
龍馬の手紙には比喩を用いた表現が多く、その時々の時代状況がわからなければ
読めないものもあります。
そんなときに役立つのが、松岡司著『定本 坂本龍馬伝』(新人物往来社、2003年。) です。900ページはある大著ですが、龍馬と同時代に生きた人々の日記・記録・証言などを豊富に用い、幕末という時代を重層的に浮かび上がらせています。
読み応え十分な1冊です。
幕末は龍馬を始め、高杉晋作・西郷隆盛・徳川慶喜など多くの個性的人物が活躍した時代でした。青山忠正著『幕末維新 奔流の時代』(文英堂、1998年。)は史料をもとにした人物ストーリー、とでもいうべき本です。幕末期・ペリー来航から王政復古までの「国家形成」の過程をわかりやすく描いています。
史料をもとにした著者の人物批評には思わず唸り声をあげたくなります。
龍馬が関与した薩長盟約。この事業を達成するために龍馬や木戸孝允・西郷隆盛は
必死で京都に乗り込んで来ました。お尋ね者であった龍馬や木戸にとって京都は「
危険地域」と化していたからです。
一方、京都の治安維持を職務としていた新選組などにとっては大手を振るって歩ける天下の都でした。当時、京都を中心として「一会桑」 (いちかいそう)というグループが幅をきかせており新選組はその影響下にあったのです。
家近良樹著『孝明天皇と「一会桑」 幕末・維新の新視点』(文春新書、2002年。)は複雑な京都情勢を「一会桑」の動きを中心に捉え、非常にわかりやすい文章で解き明かしてくれています。薩長盟約についても目からウロコ!で、まるでスリリングなゲームブックを読んでいるかのようです。
龍馬や幕末維新本はまだまだ溢れています。
「龍馬伝」に坂本龍馬に関心をもたれた方、いろいろな「龍馬伝」を手にとってみてくだ
さい。そこに「新しい龍馬」があなたを待っているかもしれません―